「静かなるホイッスル」デフ・ラグビーを知ろう



 5年前の4月14日、私は代々木の秩父宮ラグビー場にいました。初めて見る7人制ラグビー、しかも全員聴覚障害者なのです。「応援に来て」と誘ってくれたのは横浜市中途失聴難聴者協会・補聴機器研究会の小林会長でした。
 誘われたときはホイッスルが聞こえず声を掛け合うこともできないでどうやってラグビーがやれるのか不思議でした。しかし実際に現場を見て「やる気になればなんでもできるんだ」とつくづく感銘を受けた次第です。小林さんが日本聴覚障害者ラグビークラブの会長さんであることもこの場で知りました。

 小林さんは生後半年で難聴になりましたが、高校や上智大学でラグビーをやってきました。一目でラガーとわかる体型をしています。卒業後ソニーの補聴器部門に就職しましたが道半ばでソニーはこの道から撤退してしまいました。
 秩父宮ラグビー場での国際試合出場チーム選考大会を花道のようにして彼は日本を去り、今はデフラグビーの王国ニュージーランドに移り住んでいます。

 3月25日、久しぶりに横浜の補聴機器研の皆さんと会って最近の会報を頂きました。それに小林さんと共に日本チームのメンバーであった柴谷晋さんが書かれた「静かなるホイッスル 新潮社刊 1500円+税」が紹介され
ていました。帰り道に東京駅前の書店で求め一晩で読み切りました。懐かしい小林さんの姿がそこにありました。

 私は愚かにも住む国が変わればメイルアドレスも新たに取り直すものと信じきっていたのです。「そんなことないよ、前の儘のアドレスでいいんだよ」と教わってどんなに驚いたことでしょう。すぐパソコンに向かってキーを叩いたのは言うまでもありません。

  ニュージーランドとの時差は2時間過半、返事は早速やってきました。彼は私がこの13日に日本音響学会で一席伺ったことをもう知っていました。地球も狭くなったもんです。これを機会に活発な情報交換が行われることでしょう。

 皆さんもこの際奮ってこの一冊をお求め下さいませんか。スポーツであることは元よりコミュニケーションの芸術とでも呼びたいのが通称「デフラグビー」です。今のところ日本チームの選手が少ないのが残念です。中学生時代体が小さいからとラグビー部に入れて貰えなかった悔しさを今後デフラグビーの応援に振り向けようと思います。皆さんも是非力を貸してあげてください。

 

 

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