タンバリン/カスタネット/フレクサトーン




 土日祭日が見事に塞がる私が本当に久しぶりでパイオニア体感音響システムコンサートに行きました。今回で145回目。よくもまァ、無料サービスとしてこんなに永く続けて下さるものですね。

 このコンサートが貴重なのは
@同じ高さの床の上で、目と鼻の先という感じの距離でライブが見られることです。耳で半分、目で半分です。耳が殆どいけない人もいらっしゃるようです。
A腰の下と背中に振動体を当てて低音を感じます。
B耳の方は(イ)大型ヘッドホン(ロ)磁気ループ(ハ)骨伝導が一緒に、あるいは選びながら聞き比べられます。
 至れり尽くせり「これでもか、これでもか」という感じで音楽を体で感じさせてくれるのです。

 このコンサートでは普段触れることができない楽器を一つ一つ分解したり音を出したりしながら働きを説明して下さるのが例になっています。今回はトロンボーンと打楽器でした。
 唇をとんがらかしてラッパに幾ら強く息を吹き込んでもスースーとしか音が出ないことは私も経験済みですが、実は唇を震わせるのですね。唇だけでブルルルッと音が出る。マウスピース(吹き口)を外してこれをやると更に強い音が出るのにビックリしました。これだからあの長いホーンが繋けばデカイ音になるわけです。納得しました。

 肝を潰したのはタンバリンとカスタネットです。これまでは、ただチャカチャカ単純で可愛くて拍子をとるだけの道具だと思っていたのに「さに非ず」でした。叩く位置と繊細極まる指遣いによって多彩そのものと言えるような音が出るのです。これには全く驚きましたねェ。
 この二つの楽器は単なる解説用として持ち出されたのではありません。第2部で演奏された「カルメンのヒットメドレー」で重要な働きをするのです。前もって解説がなかったら何の気なしに見逃し聞き過ごしていたかも知れません。こんなこと教われて酷く儲かったような気がしましたよ。

 最後に、これは楽器ではない、観察機とでも言ったらよいのか、珍しい道具を見ました。薄っぺらな鋼の板が1枚と音叉の如きものが1個組み合わさっています。これに更に薄くて細い鋼板が2枚、そして木でできた赤い飴玉みたいなのが2個加わっています。と言ったって絵でも描かないと全体像が想像できないでしょう。写真じゃ判らない。

 この仕掛けの前で楽器を奏でると、この赤ボールたちが前後左右になんとも楽しげに踊ってくれるのです。あまりものことに私は魂を吸い取られそうになりました。
 休憩時間にシゲシゲと観察させて貰い、名前を聞いたら「フレクサトーン」と呼ぶらしいのです。[FLEX−A−TONE]とでも書くのでしょうね。

 コンサートが終わって私はまっしぐらに銀座のヤマハホールに飛んでいきました。どうしてもこれが欲しかったのです。
 案の定というか物はありませんでした。「お取り寄せになります」ですって。そうでしょうそうでしょう、あんな変な物普段ウインドウに飾って置いて売れるものではない。注文を受けてから一個一個手作りするのに決まっています。

 今私は一日千秋の思いで出来上がってくるのを待っているところです。

*今は亡き團伊玖麿さんの随筆「パイプのけむり」に兵隊として陸軍軍楽隊にいたときの思い出が書かれていました。そこに曰く「陸軍ではトロンボーンのことを○○年式抜き差し曲がり長喇叭と呼ぶ」。


*フレクサトーンをインターネットで検索したらありましはた。見つかりました。これを見ると立派な楽器ですね。私の思惑と違って自ら積極的に音を出す発音体なのです。私が勘違いしたらしい。でも近く届くでしょうし届いたら遊んでみます。作り手が思いもよらなかった使い道が見つかるかも知れません。

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