News07 FM補聴器



 東京都では毎月第三土曜に聴覚障害者のためのコミュニケーション教室を開いています。

2004/11/27筑波技術短期大学・障害者高等教育センター・障害者支援研究部門で講師をしていらっしゃ

る中瀬浩一さんの「難聴者の聞こえと補聴器の効果について」と題するお話しを3時間にわたって伺い

ました。


 筑波技術短期大学は全国でただ一つ、難聴者ばかりの三年制の短大です。現在各学年50人づつの学

生がいます。中瀬先生は大阪のろう学校に2年勤務されてから筑波にこられた方です。教育現場で補聴

機器を駆使しておられる立場からのお話しは私にとっても大変勉強になりました。

 特にデジタル補聴器は多彩すぎる性能を持つが故に極めて高価です。しかし、欲望を絞り込んだ物は

アナログ並の値段になっています。価格差と要求をどう整合させるかの説明が具体的で判りやすく参加

者の皆さんの間で非常に好評でした。これは我々のHPで今後適宜引用させて頂くことにします。

 

 今日はもう一つの目玉、FM補聴器が教育現場でどう受け止められているか…を御紹介しましょう。

FM補聴器は前評判が賑々しかった割には使われていないとのことです。色々と原因はあるのですが、

最も大きなところに絞ると音の途切れと雑音が入ることがあるという技術的なものです。


 中瀬先生は75〜76MHz(メガヘルツ)の周波数を使っていることが問題…と言い切られまし

た。実は私も補聴器用としてふさわしいとは思えないこんなバンドを何故使っているのか不思議に思っ

ていたのです。恐らく他に電波の空き間がないので止むを得ず押し込まれた行政上の問題と解釈してい

ました。

 

 それがそうではなくて、元々はアメリカがこの周波数でワイヤレス補聴器を作って日本にも輸入され

ました。それで日本も右習えでこのバンドになったに過ぎないのだそうです。ところが、やがてアメリ

カではこのバンドでは不都合が多いことが判って216〜217MHzに変えました。現在ヨーロッパ

では国によって

@169.4〜169.8

A173〜175

B187〜195

の三つのバンドが使われています。

これならアンテナが決定的に短くなるので補聴器用としてふさわしいことが納得できます。

 

 では日本もそうしたら?と言いたくなりますが、日本ではこの周波数はテレビ放送用として塞がって

います。8年後の2012年に一斉にデジタル放送に切り替えられますので、この周波数帯が空きま

す。今から強力に運動を進めていけば欧米並みにこの空き家が使えるようになるかも知れません(皆が

狙っているので余程巧みに運動を進めないと難しいことですが)。



 御承知の筈ですが日本という国は福祉に対する考え方が世界の文明国の内では最も遅れています。で

すから補聴器産業が育ちません。国の強力な支援と国民の理解がなかったらこんな利益率の薄い産業は

育ちようがないのです。


 FM補聴器も殆どヨーロッパ製を輸入してそのまま使うことになるでしょう。合法的に使うには電波

が空くまで待たなくてはなりません。あと8年の辛抱です。悲しいことですがこれが事実です。

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