0711 森脇日記で思うこと




 このホームページは「聞こえの援助機器を自分の手で作ってみましょう。手が上がったら人助けしましょう」と呼びかけるページです。自分で作った物を自ら試すには幾らかでも聴力が残っていてくれないと困ります。完全にスケールアウトした人には役に立たないページなのです。

 ですから相棒の森脇さんから「残る片方の耳もスケールアウトになった」とメイルがきたときは本当に弱りました。彼無しではこのHPを続けられないことは判りきったことですからね。満一年で閉店を覚悟せざるを得ませんでした。

 でも、その後の森脇さんの決断の速さと実行力は凄かった。私の友人に人工内耳を使っている人は多いのですが、これだけのスピードで手術が済み第一次音入れが無事に済んだ例は聞いたことがないと言います。
 淡々と「聞こえなくなった」と報告を寄越したのと全く同じ調子で「森脇さん、聞こえますか?」と聞こえた、と来るんですからね。私でなくたって「ホントカイ?」と聞き返したくなりますよ。とにかくめでたいこと限りなし、です。

 人工内耳を入れると決めてから一日も欠かさず掲載されている日記は将来非常に貴重な資料になるでしょう。世間には人工内耳を入れようかどうしようか迷っている人が大勢います。そうした人たちにとってこの日記は一つの方向を示す物になるに違いありません。
 この日記のこれから先が本当は長いわけです。聞こえ具合がどう向上していくかは言うまでもなく、これに伴う彼の心の動きに興味と言っては悪いけど多大な関心と共に見つめていきたいと思っています。

 健聴者に難聴とは如何なるものかを実感して貰うことはどんな手段を以てしても不可能です。同時に人工内耳でどんな聞こえになるか我々は知ることができません。
 私はこれまでの4年の間に数は少ないけれど中身の濃い様々な援助機器を開発してきました。磁気ループを最も必要とし、最もよく使いこなしているのは実に人工内耳の装用者のようです。しかし、これで良いのかどうかは一々彼等を呼んできて試して貰わないとには微妙なところが判りません。彼も私も相手に気兼ねはするし結構疲れます。
 ホームページの相棒が一年余にして人工内耳をつけるようになったのは天の計らいと言うべく、差し当たって書くべきネタもないのに人工内耳のコーナーを用意しておいたのは矢張り天が用意してくれたシナリオだったのだと思わざるを得ないのです。

森脇日記: 突発性難聴から失聴、再生への道

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