0608 メニエール氏症とヘルペスウイルス



 森脇さんが図書のコーナーを作ってくれました。筆頭に「めまいは治せる」があって、七戸満雄という著者名にオヤ?どこかで見たような? 暫く考えて思い出しました。メニエール氏症もメニエール氏症候群も何故こんなことになるのか今もって決め手のない病気なのです。それがウイルスが原因だと言い出されたもので、しかも内科の医師であるが故に耳鼻科医から総スカンを食った方でした。

  この説には私は当時関心がありませんでした。「フーン、そんなこともあるか」と読み過ごしていたのです。「俺にはそんなウイルスは関係ない」と。ところが大ありでした。一昨年の暮、こともあろうに私の誕生日にこいつが出て来たのです。初日は目にゴロゴロが出て、二日目は眉間に腫れ物が現れ、三日目には耳下腺が腫れてきました。この年でオタフク風邪かと驚きましたが帯状疱疹というのだそうです。
 このウイルスは日本人なら誰でも持っていて、年とって体力が衰えるとか強いストレスに合うとかで免疫力が落ちると出てくるものと教わりました。73歳にもなって突如としてこんなものに出てこられるとびっくりしますよ。

 有難いことに今ではアシクロビルのような良い抗ウイルス剤ができています。一週間ほどで痛み痒みは殆ど止まりましたが、眉間が腫れきってパンクして血まみれになった跡がどうやら目立たなくなるまで一年かかりました。これも差し当たって症状を押さえ込んだだけでウイルスを根絶することは不可能のようです。何時また姿を現すか知れない嫌らしいウイルスです。

 この騒動の直後にこのウイルスが脳の神経節に引っかかって内耳や聴神経に影響を及ぼすことがあることを知りました。それで七戸先生のお名前にピクリと反応したのです。早速八重洲ブックセンターに行って一冊求めてきました。

 七戸先生は札幌で開業していらっしゃる内科医ですが、あるキッカケからメマイに抗ヘルペスウイルス剤が効くことを発見されました。口コミで永年メマイで苦しんできた人たちが集まり治療例も相当な数になりました。それで学会にも報告し専門誌にも投稿したのですが無視され続けてきたのです。


 有名な丸山ワクチンを作った丸山先生は皮膚科が専門であるが故に患者を回して貰えませんでした。七戸先生は内科で耳鼻科医ではありません。それだけのことで入り口にすら入れて貰えなかったようです。
 先生は1990年から2002年10月までの間に2500人余のメマイ患者に抗ウイルス剤を与えて有効率は84%だったと書かれています。この薬はアメリカのジョージ・ヒッチングス博士とガートルード・エリオン博士によって作られた物で、両氏はこの功績によってノーベル医学生理学賞を受けています。今では120ケ国以上3000万人以上(1993年の数字)に使われていますが興味深いのはこの薬のヘルペスに対する有効率も80%余とされていることです。この数字で見るならメニエール氏症とされているものの殆どがウイルスを原因とするものではないかとさえ感じられます。

  私は「聴力改善への道」で書いている通り27歳、1959年にこの病気につかまっています。当時はメマイ・耳鳴り・難聴の三拍子揃ったものに取り敢えずメニエール氏症候群の病名を与え、原因と治療法が特定されると「症候群」がとれることになっていたようです。七戸先生の本は2004年に書かれたものですが、これには「治らないと判って始めてメニエール氏症の名が与えられると」と恐ろしいことが書いてあります。先生の推定によると、時たま症状が現れる予備軍を含めると日本全国でメマイ・耳鳴りに悩む人の数はおよそ100万人。地元の病院で永年治療を受けてもどうしても治らない人が札幌めがけて遙々と集まってくるのはなんともやりきれない思いがします。

  七戸先生は「わざわざ札幌まで来ることない。地元の先生にアシクロビルを処方して貰いなさい」と書いておられます。ただ、厚生労働省はこの薬をメマイ・耳鳴り用として使うことを認めていないし、医師にその方面の知識がなければ処方箋を書いてもくれません。ですから七戸先生は医師宛に論文を送ったり電話で説明したり一円にもならぬことにエネルギーを割いておられる模様です。 アシクロビルは医師の処方箋がないと薬局ではうってくれませんが、個人輸入ができますからインターネットで検索してみて下さい。ただし、この薬に対するアレルギーを持つ人もいますから予備知識としてしっかり心得ておく必要があります。


 私は今は全くメマイは感じません。と言うより難聴が進むに従ってメマイが軽くなり、やがて完全に消えました。苦しみ抜いたのは耳鳴りですが、これも2001年以来劇的に軽くなりました。ですから今の私にアシクロビルの必要は感じません。しかし、まだ少し耳鳴りが残っているのと、現にヘルペスに襲われて目玉の痒みがまだ残っているのでホームドクターから何時でもこの薬を処方して貰うことはできます。折を見て私も耳への効果を試してみることにします。

  メマイ・耳鳴りに悩んでおられる方はこの本は読んでみて下さい。同時にインターネットを探して七戸先生がどんないじめられ方をしているか反応を拾ってみてください。これだけ実績がありながら何故この療法が陽の目を見ないのかよく判るでしょう。
 これまでノーベル物理学賞やら化学賞やらを頂いた方々が口を揃えて日本の学会の閉鎖性と「実績を上げた者の足を引っ張りたがる国民性」を嘆いておられます。医学の世界も同じです。私共のホームページはできるだけ楽しくやりたいので(心を暗くする)内容の紹介や引用はなるべく致しません。心ある方は自ら読み、日本の将来のため何ができるか御自分で考え見て下さい。

 

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