0417 海軍カレー始末記


 これから書くことは難聴とは関係ありません。私と同年輩以上の方、特に軍隊経験のある本方に対するサービスとして書き始めるものです。ただの遊びです。そのつもりでおつきあい下さい。

 このホームページのおしまいの方に「パソコンヒッキヲカタカナデ」と題するコーナーがあります。ここで私は「ソボクナ カレー ノ アジヲ オウコト」を書きました。
 佐世保で買ってきた[海軍カレー]の説明に「旧帝国海軍のレシピを忠実に再現した」とあるので心躍らせて買ってきたのに中身は旨過ぎるのです。今様の味なのです。
 いくらなんでも昔の海軍軍人がこんな贅沢なカレーを食べていたわけない。インチキだ!と私は怒り狂いました。

 つい先日のこと、私と同年輩の友人とイッパイやりました。この話をしたら彼は「海軍は士官と下士官兵の食べ物には天と地ほどの違いがあったそうだ。あんたが買ってきたのは同じレシピでも士官用の味付けだったのではないか」と言いました。
 私はハタと膝を打ちました。「そりゃ気がつかなかった。正にそうかも知れない」と。

本

 さて、翌日のことです。私は東京駅前の八重洲ブックセンターに行きました。週に一度は足を運ぶ店なので、今では馴染みの棚のどのへんにどんな本があるか大体見当がついています。スーッと目を走らせるだけで新しい本にはパッと気がつきます。
 そこに「これを見ろ」と言わんばかりに新しい一冊がありました。
 [海軍料理おもしろ事典 高橋直史著 光人社刊]です。

 ヒョットしたら…とめくってみたらありましたねェ[海軍割烹術参考書]というのが。
その内から[カレイライス]を抜き出してみます。ちゃんとお金を出して買ってきたのだからこのHPに無断転載することは勘弁して頂くことにして。





[カレイライス]
 材料ハ牛肉(鶏肉)、人参、玉葱、馬鈴薯、カレイ粉、麦粉、米。
 始メ米ヲ洗ヒ置キ、肉、玉葱、人参、馬鈴薯ヲ四角に恰モ賽ノ目ノ如ク細ク切リ、別ニフライパンニ ヘット(注…ヘットとは牛の脂のこと)ヲ敷キ、麦粉ヲ入レ狐色位ニ煎リ、カレイ粉ヲ入レ、スープニテ薄ク トロロノ如ク溶カシ、之ニ前ニ切リ置キシ肉野菜ヲ少シク煎リテ入レ(馬鈴薯ハ人参、玉葱ノ殆ド煮エタルトキ入ルルベシ)弱火ニ掛ケ、煮込ミ置キ、先ノ米ヲスープニテ炊キ、之ヲ皿ニ盛リ、前ノ煮込ミシモノニ塩ニテ味ヲツケ、飯ニ掛ケテ供卓ス。此ノ時漬物類即チチャツネヲ付ケテ出スモノトス。

 これはもう私が姉から教わった作り方そのものですね。「米をスープにて炊き」というところが新しい発見で、海軍さんは結構凝っていたんだと思わせるところです。
 私が若いときは山登りに狂っていて、その頃キャンプで作ったカレーは肉抜きでした。いくらなんでも生の肉をリュックザックに入れて担ぎ上げる暇人は当時の山男にはおりませんでした。
 馬鈴薯ことジャガイモは、後年これを入れると倅が「ヤーイ、幼稚園カレー」とからかうので親父の面子にかけて止めにしました。従って私が作るカレーの材料は今もって人参と玉葱だけです。

 海軍には海軍なりの秘伝があるのかと期待していたのにこれでは当たり前すぎて愛想も何もありませんね。ガッカリです。でも、これでいいのかも知れません。秘伝とは元々単純なものです。名前は同じカレイでも主計科の呼吸次第で高級士官用・初級士官用・下士官兵用と様々な変化があった。それが真相だったのではないでしょうか。

 こうなると私の秘伝20分カレーを御披露したくなるのですが、これは次の機会に、次なる舞台で、ということにしましょう。

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