0411 一人住まいのお年寄りに勧められる補聴機器



  友人から相談を受けました。離れて暮らしている義理のお母さん(80才代)に補聴器を買って上げたいが何が良かろうか…と。

 首都圏に住んでいらっしゃるのならお安い御用ですが、気軽に出かけられる距離ではないのでハタと困りました。一人住まいということにも弱りました。矢張り誰かが手を貸して上げないと馴れるまでが大変です。
 でも80代だからと言って年寄り扱いにするのは失礼かも知れません。現に鎌倉には時折私が新製品のテストをお願いしに行くピンシャンした御婦人がおります。この方は地元の難聴者の会のリーダーを進んで務めておられるくらいで、頭の冴えと言い弁口の切れと言い私などかなわないと思うことがあります。

 ですから、あまり心配しないで、シチ面倒くさい取り扱い説明書など読まなくてもいじっている内に使いこなせるお勧め品を選んでみました。

@単なる対話用なら、プリモの「ハンディタイプマイクレシーバー・聴吾

 

 プリモはマイクロホンで有名なメーカーです。この品は電話の受話器のような形をしていて、用のあるときだけ取り上げて耳に当てれば相手の声も聞こえるし自分の声も聞こえる。耳の穴にイアホンを差し込むのは誰でも嫌なもので、その点割り切りが良いし、音も大変綺麗です。使ってみて感心しました。さすがは有名なマイクロホンメーカーが作るだけのことはある…と。

Aイアホンが苦にならないなら パイオニイアの「ボイスモニターリングレシーバー・フェミミ

フェミミ
 これは森脇さんが「補聴器・集音器レポート」で推薦しておられる
ものですが、私も彼から一つ借りて試しています。さすがは音響機
器の一方の雄パイオニア、乾電池一個で「よくここまでやるよ」と言
えるくらい良く出来ています。
 惜しむらくはイアホンが私の耳にはうまく馴染みません。指で押さ
えていないと段々抜けてきます。


私はとうとう耳栓式のイアホンに変えましたが誰にでもできるわけではない面倒な作業です。ここのところが本当
に惜しい。メーカーに一ふんばりお願いしたいところです。

 それと、衝撃的な音が入った時瞬時に押さえ込む工夫に非常に大きなエネルギーを割かれたことが良く判ります。これは一日中使っても耳を疲れさせないという意味で貴重なことです。ただ、私のようなものが使うのにはこの工夫が効きすぎている感があるのが気になります。
 とは言っても決して悪口ではないのですから誤解しないで下さい。要するに普段よりも少し大き目の声を出したとします。すると抑制回路が働いて一拍遅れる感じで音が小さく絞られるのが判ります。声を張り気味に連続して話すときに、話し始めにストンストンと声が小さく聞こえるのが気になることもあります。発音の加減が難しくなるような気がして。

 こういうのは長所の裏返してあって、決して欠点ではありません。くどいようですが念を押しておきます。すぐ馴れるに違いありませんから。結論として私はこの品を気に入って進んで人に勧めています。
 

B箱形補聴器としてなら 大和田健次郎先生が開発されたミミーミラベル補聴器

ミミー

   ミラベル
           ミミー               ミラベル 

  大和田健次郎先生は今は結構なお年ですが難聴を専門とする耳鼻科医の間では大変有名な方です。私も一昨年お話しを承りにお邪魔したことがあります。
 補聴器は高級になればなるほど調整箇所が多くなってユーザーの手に負えなくなります。値段が高いのに一々補聴器店で調整して貰わなくてはならないのは矛盾と言うしかありません。
 この矛盾に気づかれた大和田先生は素人にも調整できて安価な補聴器を考案されました。軽度難聴者用がミミーで、中等度用がミラベルです。

 時々新聞に広告が出て通信販売もしていますからご存じの方も多いでしょう。よく「通信販売の補聴器なんかインチキだ。買うものではない」という警告が難聴者相手に発せられることがありますが、そんなことはありません。確かに眉唾物もあるでしょう。その幾つかは私も試して知っています。

 しかし、ミラベルは信頼性十分の品物です。私は発表当時からこれを一台持っていて、始めて補聴器を使いたい人の慣らし運転用として随分働いて貰いました。高度難聴の私には残念ながらパワーが一息足りなくて私自身が日常愛用するには至りませんでしたが、それにしてもタフで良く働きました。今でも迷うことなくこの品を勧めます。

C番外として 身につけないのなら 0206で紹介した「お年寄り専用機」
 これは自作のための教材機ですが、私は「赤とんぼ」とアダナをつけてお年寄りに貸し出して高い打率を上げています。どんなに高価な補聴器を買ってあげても「自分の耳には合わない」で泣かされている家族から相談があったとき私はこれを一月くらい貸して上げます。「赤とんぼ」と言うとお年寄りならニッコリされます。昔陸海軍で使った練習機の愛称ですから「練習用だな」と直ぐ判って下さるのです。

 こいつのスイッチを朝から晩まで入れっ放しにしておいて、イアホンはそのへんに放り出しておきます。用のあるときだけイアホンを拾い上げて耳に差し込んで聞く。テレビのセリフもこれなら聞き取れると言われます。用が済んだらポンと放っておく。この無造作なところをお年寄りは大変気に入って下さるようです。

 一月も立つと便利さが判る。そして、動き回るときにもこんなのがあると便利だな、と言い出します。始めて進んで補聴器を使おうという気運が生まれます。そうなってくれれば後の話は簡単です。「補聴器へ進むための練習機」の価値を私自身が改めて見直しているところです。


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