0243 サンヨーのワイヤレスマイクは優れもの



  サンヨーとはやる気がある会社で、前にも骨伝導電話機を手放しで褒めたことがあります。他社の骨伝導は私の耳には殆ど聞こえませんがサンヨーのなら朗々と聞こえる。あれにはシャッポを脱ぎましたね。
 今度はデジタルワイヤレスマイクシステムHM−W300を出してくれました。早速手に入れてテストしていますので感想を述べましょう。

 とにかく薄い。長さ86mm幅40mmはどうってことありませんが厚みが12.8mmしかありません。送信部と受信部が同じサイズで背中合わせにして皮ケースに収めてシャツの胸ポケットに楽々と収まるのには敬服します。よくこんなに薄く作れたもんだ、と。

 ブルートゥースについてはこのホームページで二度紹介しています。実験用としては良いのですが「誰にでも使える」わけには行きません。紹介はしましたが勧めることまではできませんでした。このサンヨーは積極的に勧めることができます。ただ、これまでのワイヤレスマイクから見ると戸惑いするところがあるので、そこをキッチリ書いておきましょう。

 まず取扱説明書です。必要なことは抜かりなく書いてあります。しかし、やはりエンジニアが作った説明書で、素人が間違えそうなことを強調して書いてくれていません。
 例えば、複数の送信機を1m以内に近づけてはいけない、というようなことです。これは簡単に読み過ごされることで素人は必ず一度は間違えてペアリングを狂わせてはサービスステーション行きとなるでしょう。

 そのペアリングのやり方も説明してあります。ならば始めから自分でペアリングをしないと正常に働かないようにしておくのがむしろ親切なのではないかと私なら思います。

 ここでペアリングをご存じない方のために簡単に説明しておきましょう。2.4ギガヘルツという非常に高い周波数帯を使っていて、チャンネルセレクターがありません。送信機と受信機が一対一になっていて、使い始めにお互いの周波数をセットすることになっています。この操作をペアリングと言います。

 普通のワイヤレスマイクは周波数さえ合っていれば一台の送信機から出た電波を複数の受信機で聞けますが、ブルートゥースでもこのサンヨーでもワンペアつまり送受が一組でのみ使うことができます。このことを知らないで求めて「なんだ一対一でしか使えないのか」という場面が起こり得ますが、このことは前もって知っておくべきでしょう。

 複数の送信機を至近距離で使うとこのペアリングが狂って通信ができなくなるので、改めてペアリングをやり直すことになります。このことも前もって知っておかないといけません。サンヨーさんにお勧めしたいのはこうした特別大切なことは1枚の別刷りにして取り扱い説明書に挟み込んで注意を促すことです。

 さて、スイッチの入れ方と切り方にコツがあります。送信機と受信機のスライドスイッチは同じ形をしています。送受どちらが先になってもよいのですが、まず送信機から始めるとしましょう。軽く左に押します。次に受信機も同じようにします。すると双方のランプが共にゆっくりした点滅状態になります。
 これで双方が通信OKになったことを示します。この状態にないといくらマイクに向かって話しかけても何も聞こえません。簡単なようで素人には馴れるまで時間がかかりそうです。

 切るときはスイッチを長押しします。チカチカと瞬いてからOFFになります。これを確かめないといけません。

 音質は申し分ありません。通達距離は室内で30m、野外で10mとあります。室内の方が届く距離が長いのは電波の波長が短くて光に近くなっているので反射が有効に効いているからでしょう。赤外線と違って壁越しでもガラス越しでも平気です。

 送信部には外部入力の端子があります。CDプレーヤーの信号とかテレビの信号を電波に乗せて飛ばすことができます。外部マイクは使えないことになっていますが私はシリコンマイクに電池をつけて使ってみました。少しパワーは落ちますが実用上十分な音量で聞くことができます。ここがシリコンマイクの嬉しいところです。

 一方受信部には外部出力の端子があります。信号の大きさをスライドスイッチで切り替えられるようにしてあります。マイクロホンレベルにするとマイクアンプに入れられます。ラインレベルにすると各種アンプの外部入力端子に繋ぐことができます。

 素人には馴れるまで少し時間がかかるでしょうが、一度コツをつかんでしまえば非常に使い道が広いワイヤレスマイクということができます。
 同じことを繰り返すようですが、これが一般用として受け入れられるには一にも二にも説明書の書き方一つです。今のままでは「なんだかめんどくさい」とそっぽ向かれる可能性があります。折角目の覚めるような物を作ってくれながら長続きしないソニーの二の舞にならぬことを切に祈るばかりです。

  

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