0202 観光バスは100円/mで磁気ループつきになる



 2004年10月半ばに全難聴東京大会がありました。そのアトラクションとしてバスによる都内観光が含
まれています。
そのときバスに磁気ループがつけられないかという希望が出て観光業者が一瞬立ち往生する場面があり
ました。

 実行委員として出席していた私がすぐさま助け船を出しました。観光バスには必ずガイド用の放送設
備がついています。あれを活用すれば車内を一周するケーブルの実費が1mあたり100円。整備工場
の電気に強い方の手を借りれば配線は30分で済みます。その指導は私がしてあげます、と。

  具体的にどうするかはこれからこの講座でおいおいと説明し、皆さんに実際に体験して頂く予定で
おりますが、差し当たってこの材料コストを呑み込んでおいて下さ
い。本当にこれしかお金はかからな
いのです 。

 

具体的にはこうする

 最終日の夜とその翌日バスによる都内観光が予定されています。最近の観光バスは道中の退屈しのぎ
にカラオケができるようになって、テレビの受像器が最前列と中央部の天井に2台セットされていま
す。これにOHC(オーバーヘッドカメラ)を繋いで、丁度要約筆記をやるように観光案内を手書き文
字でやりたいとの希望が出ました。それと車内に磁気ループを張り回して磁気コイル内蔵型の補聴器を
通してガイドさんのアナウンスを聞きたいということ。二つとも私の役目になりました。


 OHCは交流100Vで動きますからバスの直流24V電源では使えません。直流から交流に変換す
る道具をインバーターと言います。後から述べる理由で今回は12V用のインバーターを求めました
が、バス会社でのテストでは安定した綺麗な画面が得られました。これまで一つの夢として暖めてきた
アイデアだったらしくて担当者諸嬢の感動は大変なものでした。


  次ぎに磁気ループですが、これは予定通りにはなりませんでした。作業そのものは大変簡単です。
ダッシュボードに埋め込みになっている車内放送用のアンプを引き出してスピーカーに出ていく配線を
探します。右系統のスピーカーと左系統のスピーカーの二つに分かれているものについてはその片方だ
けを使います。2本の線を探り出して被覆の一部を綺麗に剥いて、そこにパラレル(並列)に線をつな
ぎます。ハンダ付けするのが理想ですが、しっかり線を巻き付けてテープで固定しても結果は同じで
す。


 この線を隙間から外へ出し、アンプは元通りはめ込みます。この引き出した線に車内を一周させたル
ープを繋げば一丁上がりです。本当にこれだけです。ガイドさんが手持ちマイクで話せば車内のスピー
カーが鳴り出すと同時に磁気ループに信号が流れます。磁気ループは椅子の下に這わせて置くだけで他
ににやることは何もないのですから観光バスは全てこの仕掛けをして置いて下さればお客の中に一人で
も難聴者が混じっておれば大変感謝されることになります。


  あまりにも簡単すぎて本当にこれで良いのか?と心配される向きもあるでしょうが、私が横浜から
西へ向かう相模鉄道のバスで磁気ループ用の専用アンプを使ったときと車内に常備されているアンプを
転用したときを比較して、結果としてどちらも同じという答えを得ました。自信をもっています。今後
は皆さんが地元のバス会社に働きかけて観光バスには全てこれをつけることを勧めてみてください。


  今回の都内観光はこのことを知って貰う良い機会だったのですが、時刻間際にならないとどの車を
回すことになるか判らないとのことで予め手を入れることができませんでした。要求のあるなしに関わ
らず全ての観光バスにこれを設備して下さるようバス会社の意識が一日も早く向上してくれることを期
待して止みません。


  というわけで今回は2台のバスとも私の手作りのアンプを使うことにし、専用の可愛いバッテリー
も支度しました。OHCのインバーターも当初はバスのシガレットライターコンセントから引ける24
V用を予定していたのですが、磁気ループの専用アンプを持ち込むとすればバッテリーも兼用とした方
が賢いので12V用のインバーターに変え、バス会社の車庫でテストも済ませました。

 こんなこともできるということを御記憶下さい。




直線上に配置
 

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