0149 ソラシリーズ物語(11)
   マイクも複数にした対話ソラと懇談ソラ



 一つのマイクから入った音を複数で聞く。これは在来の補聴器では絶対に味わうことができない感動があります。すると誰しもマイクを複数にしてみたくなる。小さなシリコンマイクをネクタイピンかヘアピンで胸元に留めるだけでマイクを意識せずに対話ができます。
 理屈は簡単ですがイアホンを複数にするような調子にはいきません。単にマイクをパラレルにするだけでは互いに面白くない影響を受けます。
 図に描けば判りやすいことは確かですが、文字だけでやってみましょう。マイクが二つになるのですからマイクジャックも二ついります。それぞれに直列にコンデンサーを入れてやります。2μF〜10μFのノンポーラ(バイポーラ)型のコンデンサーが良いでしょう。これを一つに絞ってアンプに入れても良いのですが、できたら更に10kΩくらいの抵抗を更に直列に入れて見てください。一つにまとめた後に必ずボリウムを入れて音量調整するのは言わば常識です。

 「対話ソラ」ではボリウムが一個です。マイクが二つイアホンも二つで、聴力が違う者同士が同じ大きさの音を聞くのは乱暴のように思える。ボリウムが二つあってそれぞれの聴力に合わせるのが常識ではなかろうか?私は勿論そう考えていました。しかし、やってみると世の中は常識通りに進まないことが判ります。

 始めのうちは違和感があります。お互い自分が聞きやすいようにボリウムをいじる。お互いに大きくしたり小さくしたり一進一退しています。その内譲り合うようになる。そして何となくある一点で妥協できるようになります。
 そのあたりで他人が見ると声の大きさが極く自然にバランスがとれていることに気がつきます。補聴器同士では絶対にこうは行きません。これは「とにかく試して御覧なさい」というしかない面白い現象で、私にとって最大の発見でした。

 「対話ソラ」から見ると「懇談ソラ」は種も仕掛けもない理屈通りの品物です。つまり万能基盤が2枚入っていて、ボリウムも二つ、二つのマイク、二つのイアホン、誰が見ても判りやすい品物です。極端に聴力が違う者同士ではこれでないと話が滑らかに進まないことがあります。

 しかし、敢えて「しかし」と言いますが「懇談ソラ」は優等生です。誰がやっても得られる結果は一つです。その点「対話ソラ」には意外性があります。少々ひねくれている代わりに何かしら発見があって玩具としても面白い。もっと面白いのが「汎用ソラ」あるいは単なる「ソラ」に前回のようにアダプターをつけて使い道を広げてみることです。道具とは簡単なものほど応用が効くものなんですね。皆さんにできたら万能基盤から攻めて頂きたいのはこういう意味があるからなんです。



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