0139 万能基盤とソラシリーズ物語(1)



 万能基盤には原型のそのまた原型がありました。平成14年の作品でIC(集積回路)3本とトランジスター2本を使った贅沢なもので、今思っても傑作でした。本腰を入れて量産すべきでしたが当時体力がなくて残念でした。

 傑作ながら失敗が一つありました。長崎で大型ヘッドホンでモーツアルトを聴いた経験から500mW大型ヘッドホンを存分に鳴らしたかった。それには電池として4.5Vが必要です。単四を3本使いました。

 当時も今も市販のイアホンなりヘッドホンなりのインピーダンスはかなりマチマチですが8Ωが大勢を占めています。それで我々も出力インピーダンス8ΩのICを使いたかったのですが、どうしても16Ω用しかない。AN7513SというICを使わざるを得ませんでした。
 
 こいつを8Ωのヘッドホンで使うと電流が流れすぎてICが保たないのです。泣く泣く8Ωの直列抵抗を入れて出力を半分に落としました。

 この作品は今も大事にしてモニター用として使っていますが、出力を半分以下にしても他人様から「音が小さい。もっと大きく」と言われることがない。「これで良いんだな。ぜいたくだったんだ」ということを学びました。

 次に電池3本は嫌われるということ。これは前にも書きましたが乾電池は今では1本では買えません。全て2本とか4本とか10本とかパックになって売られています。これは昔ナショナルが始めた悪しき習慣で、今は各社とも知らぬ顔して乗っかっているいるだけの話です。
 3本だと1本余る。一般の家庭ではこの1本は必ず行方不明になる運命にあります。だから無駄として奇数の電池を使う機器は嫌われます。

 それと、どんなに良い物を作ったつもりでも値段が高いと買って貰えないという簡単な理屈です。これは開発費が幾らかかったからとか、大量に作らないとそれらしいコストにはならないとかいう言い訳は通用しません。お客様の値頃感が全てに優先するのです。

 ソラシリーズにおける万能基盤は以上の教訓からスタートしました。乾電池を2本にし、最大出力を落とす他は当初予定した作業は全部できる。これが目標でした。



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