0123 キットのワイヤレスマイクは実用になるか



 ワイヤレスマイクとは重宝なもので、難聴者の集まりでは必ずと言って良いほどこれの支度を要求されます。ただ実用になる物は結構な値段になります。送信機1個と受信機1台の組み合わせで最も安いもので6万円は覚悟しなくてはなりません。

 これらは322メガヘルツから323メガヘルツの間を使っているものと、806メガから810メガを使うものとに大きく二つのグループがあります。
 いずれも送信部・受信部共に水晶発振方式を使って周波数がずれないようにしています。
 水晶を使わないと一寸したショックとか体温などによって周波数がずれるので、長時間安定して電波を捕まえておくことが難しくなります。しかし、ものは使いようで、オモチャとして早々に諦める人もいれば結構使いこなしている人もいます。

 写真の品はエスケイ電子によるVX−361型FMワイヤレスマイクキットによって3年前に作ったものです。ケースのデザインが結構垢抜けているし、結果から先に言うなら手で持たない限り一日スイッチを入れっ放しでも周波数がずれることはありませんでした。予想に反して安定度はたいしたものです。

         FMワイヤレスマイク       FMラジオ

 このマイクを生かすも殺すも受信機次第と言うことができます。と言うのはこの手の物は受信機として市販のFMラジオを使うことになっています。東京では放送局の数も多いし、あちこちには通達距離500メートルくらいのミニ局もあります。その間隙を縫って電波を出すのですから、感度が良過ぎる高級な受信機では駄目なのです。

 写真でワイヤレスマイクの隣にあるのは非常時の情報用として何時でも鞄に入れて持ち歩いているアイワ製のポケットラジオです。AM・FM放送の他テレビの全チャンネルの音声を聞くことができます。これとエスケイのワイヤレスマイクとの組み合わせが大変いい。でも、夜になると電波が増えてワイヤレスマイクの弱い電波では難しくなります。

 その隣はダイソーの100円FMラジオです。日本一大きいと言われる町田市の5階建てのダイソーを上から
下まで探索している途中で見つけました。本体が100円、イアホンが100円、電池が100円、しめて300円の買い物でした。

 さすがに100円のイアホンでは難聴の耳には無理でした。そこで、このHPで推薦したビクターのL235に換えてみたら堂々たる音になりました。
 いくら誉めても誉めたりないのは同調ダイアルの大きさです。直径3センチもあって局を捕まえるのにすこぶる楽です。アイワのが1センチ足らずしか無くて非常に苦労するのに比べて設計者の優れた感覚に拍手を送りました。

 水晶制御をしていないワイヤレスマイクが体温で周波数がずれるのは致し方ないことです。その点このラジオは送信機の周波数がズレ始めると大きなダイアルで簡単に追いかけることができます。

 もう一つ面白い特長を見つけました。鉄筋コンクリートのビルの中では高感度のラジオでも電波は入りにくくなります。100円ラジオは益々条件が悪くなるのですが、これがワイヤレスマイクの受信用としては願ったりかなったりなのです。

 いくら超微弱電波だからと言って、目と鼻の先で発信しているのですから鉄筋を潜り抜けてフラフラしている放送よりはパワーがあります。感度が低いことがかえってワイヤレスマイクの受信用としてはプラスになっています。物は使いようとはこのことです。
 この100円ラジオはかなり古くなっている筈なのに壊れもせず未だに現役で働いてくれています。

 隣の赤くてスマートなのは3日ほど前に矢張りダイソーで買ってきました。これはイアホンつきで300円でした。つまり本体は100円高くなりました。
 旧型の外寸法5.5×9.0×2.3(cm)に対して4.6×8.2×1.7とスマートです。同調も手動ツマミではなくて押しボタンによるオートスキャン方式になりました。少なくとも都内でFM放送を聞くだけなら数千円のアイワより手間いらずで便利です。時代の進歩を実感させられた次第です。

 でも、やはり私の耳には附属のイアホンでは無理でビクターを使わざるを得ませんでした。この意味では100円を無駄にしたことになりますが、それにしても良くこんな値段で作れるものですね。つくづく感心してしまう。
 
 残念ながらオートスキャンであるが故に自作ワイヤレスマイクの受信用としては使えません。同調が敏感になって一度電波を捕まえても直ぐ逃げてしまいます。この点では矢張り古い設計のものでないと駄目ですね。
 自作もいいけど、たまにはこんなもので遊んでみてください。思わぬ発見があるかも知れませんよ。
 もっとも300円級に完全に切り替わったとすれば残念ですが、100円ショップはダイソーだけではありませんからね。どっかで代わりの物が見つかるでしょう。 


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