0110 反射鏡式望遠マイクを作ってみる



 マイクの指向性をご存じかと思います。テーブルの上に乗せて四方八方からの音を満遍なく捕らえるのが「無指向性」、向き合った人同士の声は良く聞こえるけれど両脇が聞こえにくい、スタジオでの対談などに使うのを「双指向性」、ある一方向からの音だけが特に良く聞こえるのを「単一指向性」と言います。

 「単一指向性」の内でも極端に方向性を鋭くしたのを「集音マイク」と呼ぶことがあります。これはある一方向からの音を大きくすると言うよりは、入っては邪魔になる周辺の音を入りにくくして相対的に信号の感度を高めているとお考え下さい。

  積極的に感度を高めるには反射鏡を使うのが最も安上がりで手っとり速い。理科教材店に行くと直径20cm深さ5cmのパラボラの焦点にコンデンサーマイクを埋め込み、簡単なアンプを仕込んだ物を売っています。原理を知るのに大変よくできています。

 パラボラという呼び名は最近は衛星中継のテレビアンテナとして知らない人はなくなりましたが元々は断面が放物線を描くよう厳密に曲面を設計された反射鏡のことを言います。放物線でないと理論上無限遠の彼方から取り込んだ平行な光や電波を正確に一点に集めることができません。

 しかし、肩の力を抜けば丸いお皿は何でも代理として使えます。私は若いとき必要に迫られて中華鍋を買ってきて即席の望遠マイクを作って大笑いされたことがありますが十分これで用が足りました。

 小型で行くならお勝手のお玉杓子が使えます。100円ショップに行けばステンレス鋼の10cm、8cm、6cmサイズに関係なくどれでも100円。勿体ないけど柄は切り落とします。

       

 反射鏡で跳ね返った音を集めるのですからマイクのユニットは後ろ向きにとりつけることを忘れないで下さい。鏡の面からどのくらい離すか。これは遠くからの音を拾いながら近づけたり遠ざけたりすることで感じがつかめます。絞りの深いお玉杓子ならマイクは近くなる。絞りの浅いフラットな感じになるほどマイクは離します。衛星テレビのパラボラは絞りが十分浅くて電波の受信部はかなり離れたところに突き出ています。あれを参考にしてください。

  お玉杓子のサイズが大きくなるほどマイクの感度が大きくなることが実感としてつかめるでしょう。ただ、金属のお玉杓子はどうしてもお玉杓子本体の共鳴音がキンキン入って神経に障ります。お風呂場の防水などに使うシリコンシーラーをベタベタと(綺麗でなくて良いから)厚く背面に塗りつけると金属音が消えますからやって見て下さい。

  正直のところ肉の厚いプラスチックのお玉杓子を使えばこんな苦労はいりません。ドンキホーテという安売り店で5本で100円のお玉杓子を見つけましたがこれが一番音が良いので笑ってしまいました。

  マイクを鏡面に固定するのが結構面倒です。私はフワフワのスポンジを小さく切って三つのサイコロ状にして両面粘着テープで張り付けることにしていますが、もっとスマートな方法があるかも知れません。皆さん工夫してみてください。

  こうして作った望遠マイクは材料原価130円ほどで秋葉原価格8千円の指向性マイクとよい勝負をしました。

直線上に配置
 

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